7th STEP 味覚 

 左:長男1歳 中:長女6ヶ月 右:次女9ヶ月(こわい…)

 長男はとてもよく食べるほうでした。
 2歳半ごろまで、夜中お腹がすいてミルクを1杯飲む、という習慣が残りました。

 それに対し、長女は本当に小食でした。

 1歳を過ぎても、哺乳瓶200ccを完飲したことがほとんどないほどでした。ちなみに次女は大食いです。食べ物に対する意欲はものすごいものがあります。このあいだも、兄と姉のチョコのお菓子に両手を差し出して、号泣しながらひれ伏していました…。

 親としての意欲も違いました。
 長男のときはすごかったのです。北海道に住んでいましたので、ベビー用に羅臼昆布でだしをとり(大人の味噌汁は「ほ○だし」)、製氷皿で凍らせて保存したり、常に何種類もの野菜のペーストを冷凍してストックしてありました。本に載っているジャガイモもちの団子や、えびや鮭のすり身団子、クリーム入りのココット、グラタン、主食もご飯粥、パン粥、うどん粥など、毎日かえて出してあげていました。おやつまで手作りしていて、ケーキやクッキー、スコーン、ドーナツ、プレッツェルまで作ったことがあります。離乳食つくりは私の「趣味」でもあったのです。

 それが…! 長女のときは…、本当に申し訳ないほどです…。

 長女ははじめのおかゆの次はもう普通食でした…。早くからスナック菓子の味を知り、ファーストフードのポテトがお気に入りでした。

 手抜きの極地です。長男2歳半で自分でやらせるトレーニングが忙しくて…、というのも言い訳です。
 長女を都会で生んだので食材が高かった、というのも、これも言い訳です…。

 要するに、長男のときで燃え尽き、私の興味が費えていたのです。

 成長過程の影響は色濃くあるようです。
 長男はとても味覚の発達が良いのか、「これ、生姜をちょっと使ったでしょう…」とハンバーグの隠し味を当てるし、「今日のはこの前のより、少ししょうゆ味が薄い」とか言います。食べる食べないは食材の種類というより、おいしいかおいしくないかに大きく左右されます。でも長女は食べず嫌いが多いのです。知らない野菜はほとんど食べません。おいしくできた、と思っても、食べれる食材が少ないので、必ず何かは残します。

 両極端な対応の結果、対照的な食欲が出来上がってしまいました。

 私の努力は、子どもに本当に正直に現われるものなんだ、と痛感します。そして、驚きと共にやはり後悔も少し。
 長女はもう大きくなってしまったけど、これからでも間に合う! とばかりに、この頃は卵を割ったり剥いたり、わかめをちぎったり絹さやのスジを取ってもらったりふかしたお芋の皮向きなど、簡単なお料理のお手伝いをしてもらって、いろいろな食べ物に楽しく意欲を持ってほしいと思ってやっています。長男には、「いーい? おいしいものが作れるときも、失敗するときもあるの。どっちも食べてくれなきゃ。我が家はレストランじゃないんだから」と説得(?お叱り?)しています…。

 今、1歳の次女のご飯トレーニング中です。

 お菓子の味は3人の中で一番早く覚えてしまいました。卵アレルギー(アトピー)があるようで、奥歯のない段階での「卵抜き」料理に苦労しています。

 上の2人の教訓から、なんでも食べる子に育ってほしいな、と思います。手抜きしたい! 思いもたくさんあるけど、手をかければ必ず報われる、そうですよね神さま、と感謝を持って料理!

 …できるといいな…。