28th STEP 好きになって欲しいんだよ…

  左 次女6ヶ月で飛行機! 右 なかよし  

 次女はどこでも『お姫』です。

 パパ・ママに甘やかされるだけでなく、ちょっとごっつんしたら、今ではちびママ(長女)と、ちびパパ(長男)も飛んできます。どこが痛いのー? そっか、ここかー、神さま、いたいいたいになりました。だからどうか助けてください…。いつもそんな感じ。

 そんな次女ちゃんが言葉を言いはじめたときのこと。
 もちろん一番初めは「マンマー!」。

 上の子達を真似していろいろ一生懸命話します。そしてパパの次に覚えたのが「ねぇねぇ(お姉ちゃんのこと)」。長女は大喜びでますます次女をかわいがりました。

 …でも、いつまでたっても「にぃにぃ」を覚えてくれないのです。
 何回教えても、名前で教えても、次女はなかなか長男のことを呼びませんでした。

 がっかりする長男に、きっと言いにくいんだよ、と笑ってごまかしていましたが、いつまでたっても言わない次女ちゃんに、わたしのフォローも限界気味。

 ある晩、寝る前、とうとう長男は言いました。
 「何で僕のことは呼んでくれないの? ねぇねぇって呼ぶのは、あんなに上手なのに」
 半べそです。

 「…僕のことだって好きになって欲しいんだよ…!」

 あのね、長男君はさ、どんなときに次女ちゃんと遊んでる? 自分が次女ちゃんと遊びたいときだけなんじゃないのかな。…でもね、お世話ってね、きっとしたくないときも自分のこと、ぐっと我慢してやんなきゃなんないときもあるんじゃないかな。…ねぇねぇはさ、「何がしたいの?」って言って、次女ちゃんが笑うことをしてあげるんだよ。だからいつも呼ぶんだよ。

 …とうとう、半べそから本泣きになって長男くん、心に誓いました。
 「僕だってお世話するもん、それで絶対、にぃにぃって呼んでもらうんだあ!!うわぁ〜ん…」

 それから、涙ぐましいまでの長男の努力が始まりました。
 長女の先回りをして、何種類ものぬいぐるみをもって次女ちゃんのご機嫌をとったり、おやつ食べさせ係を買って出たり。抱っこもし、テレビの解説もこと細かにし、お馬さんになり…。

 それまで自分が楽しいのが一番! だった長男君が変身しました。長女と遊ぶときも、必ず主導権を握っていた長男は、相手に喜んでもらう楽しさを知ったようです。

 その努力の結果は…?
 次女はやっと覚えました。それも、私が長男をしかるときの「こら!シオン!」と、そっくりな言い方で、しかめっ面までして「ちおん!」と…。

 …なんで僕だけ呼び捨てなの…? と、長男の悩みは尽きないようです…。