(写真中央が筆者)

娘家族と暮らすようになって、かれこれ5年になるでしょうか。以前は千葉の方で一人住まいをしておりましたが、ある日突然家で倒れ病院に運ばれました。 娘家族が心配して、色々検査をしてもらいましたら、アルツハイマー型痴呆と診断されました。

MRIの結果では2回ほど脳梗塞の跡があり、脳が萎縮していて現在の年齢の脳より10年先の状態だと言われました。娘が来て、近所の人から色々聞いて分かったことですが、いつも顔を合わせている人に「あなたはどなたですか?」と聞いてビックリされたり、テンカン症状が起こり、手が震え体が硬直して数分間意識がなくなることなどあったそうです。

私も今まで頑固に「1人で住む」と言い続けていましたが、「心配だからもう一緒に暮らそう」という娘家族の言葉に甘えて、家を引き払い仙台に来ました。そしてともに住むようになってから、テンカンの症状は薬を飲むことによって治まってきたのですが、飲み込む機能が低下するパーキンソン病も出てきました。 また仮面病と診断され、その中でも珍しいピック症状が現れたのです。箸で1口2口つまんで食べてはもう食べられないという状態でした。

歩くのもやっとで、顔はいつも同じ仮面のような無表情さが続きました。体はガリガリにやせてしまい、何時死ぬのかと皆心配したそうです。

それから2年後にデイサービスが始まり、その当時は送迎の車が来ると職員の方に手を引かれて車に乗せてもらっていました。それから2年間良くなったり悪くなったりの状態でしたが、そのような中でも許される限り家族とともに日曜礼拝や祈り会などの集会に出席し続けました。

また、こちらである聖会には必ず行って、来られた牧師にお祈りをしてもらいました。それから皆が会社や学校へ行った後に、娘とともに毎日賛美したり、お祈りをしたり、聖書を読む時を持ちました。初めは頭がボーッとしていましたが、神は私の心に御言葉をもって語りかけてくださいました。 私はイエス・キリストを救い主と信じて洗礼を受けました。

それから数年がたち、しばらくぶりに近所の方とお話をする機会があったのですが、私がいやされて元気になり、冗談を言ったりする姿に「あら、随分お元気になられて…!」と、ビックリされました。神様が、私のような者をも憐れみ、病をいやし、救いを与え、恵みと祝福を与えてくださったことを心から感謝します。

私の周りには、イエス様を知らない方がたくさんいます。イエス様がなしてくださった素晴らしいみわざを皆さんにお話していきたいと思います。

【アルツハイマー病】
アルツハイマー病は脳の組織が縮んでいく病気です。70歳前後の女性に多く、症状は記憶力の低下から始まって、次第に意欲低下、鬱、情緒障害、性格・人格の破壊、また妄想、幻覚、徘徊などの症状も現れます。症状は徐々に、しかし確実に進行していきます。原因はまだ十分解明されておらず、したがって根本的治療法はありません。

  (宮城県 ジョイ広田)

み声新聞150号より抜粋−